Aurora Borealis
オーロラ

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チェナホットスプリングス / Chena Hot Springs

オーロラは,地球の磁極を囲むようにあるオーロラオーバルの下で見ることが出来ます.今回はじめてのオーロラ挑戦だったので,目的をオーロラ一本に絞り,1)比較的交通の便がよく,2)オーロラの見える確率が高く,3)空が暗く宿から観測地まで徒歩でいけるという条件を満たす場所を探しました.1)はあまり休みが取れないので目的地までなるべく時間をかけたくなかったためです.2)は折角行ったのに見えなかったでは,元も子もないので,出現する確率の高いオーロラオーバルの中心になるべく近いところで,晴天率が高いところということです.アラスカの天気は3月くらいから安定するのでその時期に合わせました.3)はオーロラの出る可能性のある時間帯には確実に観測地にいたいのと,想像がつかない寒さへの不安解消のためです.いろいろ考えた結果,知人がそこで観測に成功したということもあり,アラスカ・フェアバンクスのチェナホットスプリングスにしました.

行程は,大阪から成田へ飛び,ノースウェスト航空でシアトルへ,アラスカ航空でアンカレッジ経由でフェアバンクス,そこから宿の車でチェナホットスプリングスで,自宅からトータル27時間かかりました.航空券はインターネットで手配しました.

チェナホットスプリングスには,ガラス張りのオーロラ観測ドームがあり,オーロラ出現まで暖かい部屋で待機することが出来ます.ドーム内部は暗いのですが,視界が狭いのと,ガラス越しなので,オーロラが少々見にくくなります.初日・二日目は,気温が−15度と比較的暖かく,結構外に出ていても大丈夫でした.ただ,足先だけは寒く,二日目以降は,耐寒ブーツをレンタルしました.しかし,暖波の影響もあり,雲が多く,特に初日は雲の向こうでピカピカとオーロラが光っているのが見え,もどかしく感じました.たぶん雲の向こうでは,ブレークアップと呼ばれるオーロラのダンスが起こっていたのでしょう.2日目は,雲の切れ目からゆらゆらとしたオーロラを見ることが出来ました.昼間は,温泉はもちろん,アラスカならではの景色をうろうろして楽しんだり,雪上車で近くのチェナヒルに行ったりしました.温泉は巨大な露天風呂,お湯はちょうどいい温度,でも,気温はマイナス.髪の毛をぬらして,まっすぐ上に立てるとすぐに凍ります.

後半二日間は快晴で大変恵まれた天候の中でオーロラを見ることができました.これまでは最高気温が0度位だったのですが,後半2日間は全く違い最高気温が−10度以下,夜になるとぐんぐん下がり最低気温は−27度に達しました.明かりのないところへ出ると,北の空にボーっとした東西に伸びるオーロラが既にあり,すーっと明るくなったかと思えば,消えたり,ぱっと縦縞のオーロラへ変化したりしていました.時間が経つと活動は徐々に南の方へ移り,真西,真東からオーロラが出ては消え,出ては消えと,動きも活発になり,明るさもだんだん明るくなってきます.と,ある時,スルスルっと真西,真東からのオーロラが伸びてきたかと思うと天頂付近で東西のオーロラがつながり,それをきっかけに,オーロラのダンスが始まりました.空全体のあちこちが光りだしたかと思えば,一瞬すっと消え,また現れ踊りだす.まるで,神様が光でお戯れになっているかのようです.規模,動き,明るさなどすべてがはるかに想像を越えていました.ブレークアップが始まってから数分くらいでしょうか,うわっと思うほどオーロラの一部が一瞬明るくなり,それがゆっくり拡散してゆき,オーロラのダンスは終了しました.その後は全体的に,空が白っぽくなり,規模の小さなオーロラがフラフラーっと出て来ることはあるのですが,ブレークアップは起こりませんでした.次の日もオーロラはちゃんと現れてくれました.ややオーロラにも慣れ,少しは落ち着いて見ることできました.ブレークアップは前日より大きく,一番明るくなった時は,まぶしく周りが明るくなるのを感じました.ふと我に戻ると,足の感覚がほとんどありません.慌てて,小屋に戻りヒーターでゆっくりと暖めました.何時間も外に出ていたので,凍傷になりかけていました.宿に帰って靴を脱ぐと,靴下にはってあったカイロが,全部凍っていました.ちょっとやばかったです.

最終日は,名残惜しいチェナの温泉にゆっくりつかって,出発の準備をしました.夕食時に余った使い捨てカイロを他の観光客の人に渡しました.出発前に外に出ると既に天頂付近にオーロラが出てました.名残惜しい.フェアバンクス空港に着くと,宿の人に教えられたとおり,オーロラが見える北側の窓席が空いていないかと聞いたのですが,満席で変えてもらえず.でも,離陸時にぐるーっと旋回した時に,オーロラを見ることができました.

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