ホーム 天体写真ギャラリー パソコン 自己紹介 メール


 しし座流星群


 結果報告(1998.11.17-18)

Photo 当日の天候は,冬型の気圧配置であったため,太平洋側の三重県青山高原まで観測に出かけました.観測地は,マスコミ等の報道効果が大きく,低温かつ強風にもかかわらず,たくさんの人(車)でした.

 天候の方は,観測地に着いた当初23時頃から26時(2時)頃までは,ほぼ晴れていたもののその後は,ほとんど雲に覆われてしまいました.

 流星の方は,しし群を10数個数えることが出来て,散在流星(群以外)を含めると,20数個でした.26時過ぎからは,雲に覆われたため,雲を通しての観測となりました.

 結果としては,当初予想されていた,しし座流星群の極大は,日本では見られませんでした.しし座流星群は大西洋上で極大を迎え,大西洋上の島(ラ・パルマ)で日本時間17日13時30分を最大に1時間当り2,000個の流星が観測されたそうです.つまり,予想よりも極大時間がかなり早くなり,日本では見られなかったと言うことです.

 右の写真は,青山高原に行ったときに撮ったもので,画面中央部から右下にかけてしし座流星群の流れ星が写っています.明るさは,-2等で,しし座流星群の輻射点よりかなり離れているため長い光跡で,消滅点は,写真の右側外になります.写真の詳しい説明は,天体写真ギャラリーの中のこちらです.



 しし座流星群がいよいよ迫ってきました.すでにマスコミ等で報じられているように,うまく行けば,たくさんの流星を見ることが出来ます.もし,うまく行かなくても通常よりもたくさんの流れ星が見えることは確実です.

 いつ見えるか?

 報道では,午前4時から5時に良く見えると伝えられていますが,天文現象は予想が難しく,よく見える時間帯が前後に数時間ずれることも予想されています.では,一晩中観測すれば良いかと言えば,そうでもありません.しし座の昇ってくる19日午前0時(18日24時)以前には,ほとんどしし座流星群は飛びません.

 流れ星は,宇宙にある彗星が撒き散らしたチリが,地球の大気に入って燃えた軌跡です.しし座流星群は,今年1月に回帰したテンペル・タットル彗星の撒き散らしたチリの中を地球が通過することによって起こります.下の図に示すように,彗星のチリは,地球に向かって平行にやってきます.大気に入って燃えたチリを天球上に投影すると,流れ星の流れる様子がわかります.


地球が彗星のチリに突入する.


18日午前0時頃


18日午前3時頃

 午前0時以前では,大気にチリが突入する角度が浅く,たくさんの流星を見ることが出来ません.午前0時を過ぎると,徐々に飛んでくるチリの角度が高くなり,たくさんの流れ星を見ることが出来ます.

 図では,チリの密度は一定に書いてありますが,実際はチリの密度には,濃い所と薄い所があります.チリの密度がピークになる時間に,チリの突入角度が大きければ,たくさんの流れ星を見ることが出来ます.

 さて,先程述べました,良く見える時間が前後するという話ですが,チリの密度の最大となる時間の予測が難しいのです.もし,大幅にずれて,午前0時以前にずれたとすれば,しし座流星群の大出現は見ることは出来ません.また,日の出後にずれても同じことです.このように大幅にずれた時はあきらめるしか仕方ないですが,午前1時から日の出の間にピークがくれば,見ることは可能です.つまり,

午前1時から日の出までは目が離せない

ということになります.

ホーム 天体写真ギャラリー パソコン 自己紹介 メール
top