White Sands National Monument
ホワイトサンズ国定公園

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Enviroment of White Sands ホワイトサンズの環境

ホワイトサンズ国定公園の環境は,植物にとって極めて苛酷である.夏の気温は,45度以上,冬は氷点近くの気温まで下がる.雨はほとんど降らず,極めて乾燥している.水は,砂にわずかに含まれる水分と地下奥深くにある地下水のみである.しかも,水には,かなりの塩分が含まれている.さらに,ホワイトサンズの環境を厳しくしているのは,南西から吹く強い風である.この風によって,砂が運ばれているのであるが,ここに住む植物は,絶えず砂による埋没の危機にさらされている.次から次へと,砂丘が押し寄せてくるのである.

ヤッカと呼ばれる植物は,この厳しい環境に適応した数少ない植物の一つである.ホワイトサンズの砂丘を歩いていると,たくさんのヤッカを見ることが出来る.ここでは,ヤッカがどのようにして,動く砂丘の上で一生を過ごすのかを紹介する.

Yucca's Life ヤッカの一生

White Sands / ホワイトサンズ

砂丘と砂丘の間は,砂の動きがほとんど無く,植物にとって,住みやすい環境である.しかし,ホワイトサンズには南西からの風が吹いており,この風より砂丘は北東方向へ動いている.砂丘と砂丘の間に生えていたヤッカは,遅かれ早かれ砂丘に覆われることになる.

White Sands / ホワイトサンズ

ホワイトサンズのヤッカは,砂に覆われると,急激に茎を成長させることが出来る.その速さは,年に30cmほどである.ヤッカは砂に覆われるごとに,茎を成長させ,砂丘が通り過ぎるまで成長を続ける.

White Sands / ホワイトサンズ

砂丘の頂点が通り過ぎたあとは,ヤッカは成長を止める.砂丘の頂点が遠ざかるにつれ,ヤッカの茎を覆っていた砂が少なくなり,茎が露出するようになる.

White Sands / ホワイトサンズ

大きく茎が露出したヤッカは,不安定になる.やがて,茎が折れ,ヤッカは死ぬ.死んだヤッカには,種がついており,種はやがて発芽し,新しいヤッカが生まれる.このようなサイクルを繰り返すことにより,環境の厳しいホワイトサンズでも子孫を残すことができる.ちなみに,一つの砂丘が行ってから,次の砂丘が通り過ぎるまでの時間は,約20年程度だそうだ.